週刊 ハニー社長の生成AI研究日誌

2025.09.16

検索の未来が到来。Google「AIモード」は"ググる"をどう変えるのか?

 

検索の未来が到来。
Google「AIモード」は"ググる"をどう変えるのか?

Googleは、検索サービスにおける「AIモード」の日本語版提供を2025年9月9日より順次開始しました。
この機能は、複雑な質問に対してAIがわかりやすく包括的な回答を瞬時に生成し、さらに深掘りするためのウェブリンクも提示することを目的としています。

<AIモードの概要と特徴>
提供開始日と対象言語 「AIモード」は、2025年9月9日から日本語での提供が始まりました。日本語のほか、インドネシア語、韓国語、ヒンディー語、ポルトガル語(ブラジル)でも順次利用可能になります。英語版は5月に米国で先行して提供されていました。

<機能と利点>
「AIモード」は、Googleが開発したAIモデル「Gemini 2.5」のカスタムバージョンを利用しており、従来は複数回の検索が必要だったような、長く複雑な質問に対しても一度の検索で回答を生成できます。
特に、以下のような複雑なタスクで役立つとされています。

  • 探索的な質問

  • 地域のおすすめを探す

  • 旅行の計画を立てる

<複雑な手順を理解する>
実際に、「AIモード」の初期のユーザーは、従来の検索クエリの2倍から3倍の長さの質問をしていたことが分かっています。例えば、「京都駅出発で6泊7日の旅行プランを立てて。伝統工芸や歴史的な場所を巡るプランで、ディナーのおすすめも入れて」といった長文の問いにも対応可能です。
また、質問を複数のサブトピックに分解して関連性の高いコンテンツを探す「クエリファンアウト技術」を活用しており、「10月に行くとしたら、この地域の近くで開催予定のお祭りはある?」といった追加の質問で情報を深掘りすることも可能です。

VP of Product, Google Search Robby Stein氏は、「AIモード」が非常に複雑で多面的な質問に対して瞬時にわかりやすい包括的な回答を生成する体験を提供すると述べています。

<利用方法と対応プラットフォーム>
「AIモード」は、Google検索の結果ページに表示される「AIモード」タブから利用できます。PCとモバイルのブラウザ、およびAndroidとiOSのGoogleアプリで利用可能です。
マルチモーダル機能 テキスト入力だけでなく、音声やカメラを使った質問にも対応しています。
例えば、スペイン語のメニューの写真を撮り、「このメニューが何かわからないんだけど、どれがベジタリアン向けか教えて」と尋ねると、ベジタリアンでも食べられるメニューの内容を回答するといった使い方ができます。

<背景と今後の展望>
Googleは、近年、OpenAIの「ChatGPT」やPerplexity AIなどのAI検索サービスの台頭により競争が激化する中で、主力事業である検索サービスでのAI対応を加速する狙いがあります。

「AIモード」は、Googleの品質およびランキングシステムに基づいており、事実性を向上させるための新しいアプローチを採用しています。可能な限りAIによる回答を表示することを目指しますが、信頼性が低いと判断される場合には、ウェブ検索の結果が表示される設計になっています。

将来的には、ショッピング関連の機能も強化されることが予想されており、対話型AIによる商品検索結果のパーソナライズ化や、自分自身の写真をアップロードしてオンライン上の画像とコラージュする仮想試着体験機能、新しいエージェント型チェックアウト機能などが開発中です。
また、欲しい商品の価格が変動した際に通知を受け取り、「Google Pay」で購入できる仕組みも提供される可能性があります。


DX学校神戸校 講師として

Google検索に『AIモード』が搭載されたことは、情報探索のあり方を大きく変える出来事です。これまで“検索キーワードをどう工夫するか”が重要でしたが、これからは“自分の考えや要望をそのまま文章にして伝える”ことが主流になります。中小企業の経営者にとっては、商品調査や業界動向の把握、出張や研修の計画立案などにかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。

ただし注意すべきは、AIが提示する情報を“鵜呑み”にするのではなく、経営判断に活かすための材料として活用する姿勢です。古い成功体験にとらわれず、新しいツールをどう自社の成長に結びつけるかが問われています。今こそ経営者自身が学び、実践し、AIを使いこなす姿勢が必要です。

DX学校神戸校(IT診断導入士)
埴岡

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