ハニー社長の気づきと学び

2026.04.17

その求人、本当に必要ですか?「雇わない経営」が中小企業を救う

 

「人が採れない」の前に、立ち止まってほしい

「採用に困っている」という相談を受けるたびに、私は心の中でまず一つの問いを立てる。

「そもそも、その求人は本当に必要なのか?」

もちろん、表面上は寄り添う。物理的に人手が足りない現場の苦しさは、35年間経営者として生きてきた私にも痛いほどわかる。しかし、その「採用したい」という判断の根拠を丁寧に紐解いていくと、驚くほど多くのケースで「求人そのものが間違っている」か、「そもそも求人が必要ない」という結論にたどり着く。

ここを間違えると、企業はコスト増に苦しみ、雇われた人はすぐに辞めていく。双方にとって不幸な結末だ。

まず「仕事の賞味期限」を問え——MVVの見直しが先決

私が経営者に最初に問いかけるのは、採用条件でも給与水準でもない。

「今やっているその仕事、いつまで続けますか?」

目の前の業務に追われていると、経営者は「仕事があるから人が必要」という思考に陥りやすい。しかし本来の順番は逆だ。まず自社のMission・Vision・Value(MVV)を見直し、会社がどこへ向かうのかを明確にする。その上でポジションを確定し、初めて求人を出す。

この順番を守るだけで、募集内容は劇的に変わる。具体性と将来性が言葉ににじみ出て、「この会社で働きたい」と思う人材が集まってくる。

そして、このMVVの言語化と見直しこそ、生成AIが最も力を発揮する領域だ。自社の強み・歴史・価値観を対話形式で整理し、採用コピーへ落とし込む。私が主宰するDX学校神戸校の勉強会でも、このプロセスを体験した経営者から「こんなに短時間で言葉にできるとは思わなかった」という声が後を絶たない。

「増員」の前に「生産性」を疑え

安易に増員すると何が起きるか。労務費が上がり、労働分配率が上昇し、利益は薄くなる。それだけではない。新しい人を教育するコストと時間も、既存社員の負担として圧しかかってくる。

ならば先にやるべきことがある。

既存社員の1日の動きを棚卸しすることだ。

機械でできることは機械で。ITでできることはITで。AIでできることはAIで。そして人間にしかできないことを、人間がやる。 ただ、それだけだ。

ロボットの高額な購入が難しければ、リース・外注・スポットバイトという選択肢もある。採用という「固定費化」を選ぶ前に、「変動費化」できる手段を総点検する。この思考の順番を変えるだけで、経営の景色はがらりと変わる。

経営者よ、頭を切り替える時だ

「うちはITが苦手で……」という声はよく聞く。しかし時代の変化は、経営者が想像するより、はるかに速い。

生成AIは、もはや大企業だけのツールではない。スマートフォン一台で、今日から使い始められる「経営者の右腕」だ。採用の前に、まずAIと向き合う時間を30分だけ取ってみてほしい。

あなたの会社に本当に必要なのは、新しい「人」ではなく、新しい「視点」かもしれない。

DX学校神戸校では、ITが苦手な中小企業経営者向けに生成AI活用の勉強会を定期開催しています。「まず何から始めればいいか」から一緒に考えます。

著者:埴岡雅則
IT導入診断士 / DX学校神戸校講師
35年の経営経験をもとに、中小企業経営者へ生成AI活用と身の丈ニッチ戦略を伝えます。

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