週刊 ハニー社長の生成AI研究日誌

生成AI,ChatGPT

2025.09.10

経営者の生成AI活用が遅れる日本の中小企業、従業員の不安顕著に

 

日経BPが2025年7月に実施した調査(1450人対象)によると、**勤務先の生成AI活用が「非常に進んでいる/進んでいる」と答えた従業員はわずか14.4%**にとどまった。これに対し、「遅れている/非常に遅れている」との回答は34.1%に上り、日本企業のAI活用の停滞感が浮き彫りとなった。

特に注目すべきは、経営者の関わり方だ。生成AI活用が「進んでいる」と評価された企業では、46.0%の従業員が「経営者が生成AIを使いこなしている」と回答。一方で「遅れている」企業ではその割合がわずか3.8%にとどまった。また、進んでいる企業の82.0%が「経営者がAI活用の全社方針を示している」と答えたのに対し、遅れている企業では29.3%に過ぎなかった。

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(出所:日経クロステック)

さらに、従業員へのAI教育の有無も大きな差を生んでいる。進んでいる企業ほど、全社員を対象とした研修や実践機会を設けており、これが社内のAI文化形成につながっていると考えられる。

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(出所:日経クロステック)

中小企業への影響と課題

中小企業にとって、この調査結果は見逃せない。これまでの「経験と勘」に基づく経営スタイルや、属人的な業務遂行は限界に近づいている。特に 「経営者が自ら生成AIを使いこなす姿勢」 が、組織全体の速度を左右することがデータで示された形だ。

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(出所:日経クロステック)

小規模組織だからこそ、経営者が旗振り役となりAI活用の方向性を示すことで、従業員の不安を払拭し、競争優位を築ける。逆に、過去の成功体験に依存して「今まで通り」で進めば、取り残されるリスクは高い。


DX学校神戸校講師として

「経営者がAIに触れずに『社員だけやりなさい』では、中小企業は前に進みません。経営者自らがまず小さく生成AIを使い、全社に方針を示すことが、時代を生き抜く第一歩です。古い成功体験からの脱却こそが、中小企業の未来を拓きます。

DX学校神戸校(IT診断導入士)
埴岡


2025.09.01

GPT-5正式リリース ― 博士号レベルの知能が中小企業の隣に座る日

 

OpenAIは2025年8月6日、次世代AIモデル「GPT-5」を正式発表。翌7日午前10時(太平洋時間)よりChatGPT、API、そしてGitHub Models Playgroundでの提供を開始しました。

サム・アルトマンCEOは「博士号レベルの知能に到達した」と述べ、これまでのAIモデルを大きく超える性能を強調しています。GPT-5はコーディング、数学、執筆といった高度領域で最先端の成果を示し、人間の知的パートナーとしての存在感を一層強めました。

中小企業に迫る変化

従業員20名以下の中小企業にとって、これは遠い世界の話ではありません。むしろ、**限られた人材と時間を補う「参謀役」**として、GPT-5は経営の現場に直結する力を持っています。

  • バックオフィス業務の自動化
    見積もり・契約書・請求書など、これまで数時間を要した業務が数分で完成。人手不足の現場に余力を生み出す。

  • 経営判断の高度化
    売上・原価・在庫データを瞬時に分析し、複数のシナリオを提示。これまで「勘と経験」で決めていた経営スタイルをデータドリブンへ転換。

  • 新規事業・市場開拓の壁打ち役
    これまでは相談相手がいなかった経営者の孤独な時間に、「知識ある頭脳」が常に伴走する。

古い成功体験の終焉

かつての成功パターン――「経験豊富な勘」「長年の付き合い」「地域の常識」――は、今や市場の変化に追いつけなくなっています。
AI時代に必要なのは、“過去の勝ち筋を繰り返す経営”から“未来を共に描く経営”へのシフトです。

GPT-5は、そのための道具であり、時に経営者自身を問い直す存在にもなるでしょう。


経営者へ・・・

博士号レベルの知能が、いま、あなたの隣に座りました。
あなたはそれを「関係ない」と横を向きますか?
それとも「新しい経営のスタンダードを創る力」として迎え入れますか?

数年後の差は、この選択から始まります。

DX学校神戸校(IT診断導入士)
埴岡


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